犬の種類に関係なく、新たな飼い主の家に来た子犬は不安が一杯で、精神的に「毎日疲れている」と思ったほうが良いでしょう。
そして子犬は甘えん坊なので、絶えず親を探し、親が見つからない場合は、親の代わりになる”もの”を求めます。
その子犬の親の代わりになるのが飼い主さんです。その後普通に子犬を育てて行けば、子犬の成長と共に、飼い主さんと犬との間には、絶大な信頼関係が築かれます。
ここで飼い主さんは、しっかりとした認識を持つことが大切だと思っています。それは、飼い主さんは「子犬の親ではない」ということです。
我が子のように愛情を注ぎ込み、大切に育てた子犬が成長したのですから、当然「我が子」として接している、扱っている、位置づけられている・・・と誰もが思いますが、子犬は「犬」なのです。人間ではありません。
人間の赤ちゃんは、非常に未発達の状態で生まれてくるので、その後の手厚い「保護」のもとで成長していきます。しかしこのことは、未発達がゆえに、ほったらかしにできる「ゆとりの時間」ができるのです。赤ちゃんが寝ている時がそうです。また目が覚めていたとしても、付きっきりで面倒を見る必要がありません。生まれたての赤ちゃんは動き回りませんから・・・
赤ちゃんが成長し、はいはいするようになると、そうは行かなくなります。ましてや、立って歩くようになると、もう目が離せません・・・
このように、現代社会の人間の親と赤ん坊の関係は、動物界では非常に淡白であり、体に密接している時間が極端に少ないのです。
犬など他の動物はどうでしょうか?生まれて間もない子犬と親犬が、ばらばらに行動をとることなど、自然界ではまずありません。子犬が寝ている時も、子犬がうろうろしている時も絶えず子犬の傍には親犬がいて、子犬を見守っているのです。
犬など他の動物は非常に完成度の高い状態で生まれてくるので、その後の「保護」など、一見必要なさそうですが、それは人間の勝手な思い込みだと思います。子犬は親の愛情をたっぷりと受け止めて、そして自然界のルールや生きる技、社会性などを親から学んでから、一人立ちします。
例外もありますが、人間以外の動物界、特に哺乳類などの高等動物においては、親の存在はこのようになっているのだと思います。従って、人間の飼い主が「子犬の親になる」ということは真剣に考えずに「親の代わりになること」と認識することが正しいと思います。